着物と茶道 日本の文化ブログ

日別アーカイブ: 2022年11月6日

父の一年祭

DSC_3310ようやく、島根への帰省が叶いました。
コロナ時代になって、何度中止になった事でしょう。
昨年、父が亡くなった際にも、亡骸との対面だけの帰省で、とんぼ返りをして、葬儀にも出られなかったのですが、ようやく、一年祭には親族と同席することが出来、50年ぶりに会う従兄とも、懐かしい話をする事が出来ました。

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両親が元気だった頃の帰省は自宅から、中国道の六日市インターに向かってまっしぐらでしたが、今回は、益田にある妹宅に母の着物が置いてある、という事と、母が入所している施設もあって、広島からの浜田道を初めて走ってみました。
平成3年に完成したという浜田道は、想像していたより、狭くて走りにくい道でしたが、車の台数は、当然都会の高速よりは少ないので、ナビを頼りに無事に到着する事が出来ました。

道中、紅葉も綺麗で、充分この時期の季節を楽しむこともできました。

16時の予約で、母が入所している施設に向かいましたが、既に車いすに座った母は玄関先まで出迎えてくれていて、その日は体調もよかったせいか、直接に手を握ったまま20分位話が出来たのです。
前日の陰性証明書の提出で、ガラス越しでの10分位の面会という約束でしたが、有難い事に、暖かで天候もよかったせいか、思わぬ面会が叶ったのです。

父の一年祭の前に、認知症がかなり進んでいるとはいうものの、母と会え、しかも、私をきちんと認識してくれて、思い出話まで出来て、この、4年間の母の変化には、悲しさを感じますが、私にとっては、今回の面会は満足したものになりました。

 

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翌日は、やはり何度もキャンセルせざるをえなかった幼友達と益田市内を観光して、子供の頃からの思い出話から、現在に至るまでの尽きぬ話をして、5年ぶりの逢瀬を楽しみました。

何と、東京のスカイツリーをデザインした彫刻家の澄川喜一さんが、森英恵さんと同郷の島根県六日市町の出身で、益田市にもオブジェを制作されていて、それが展示されてあるグラントアに連れて行って貰いました。
森英恵さんが、故郷津和野の隣町六日市町出身という事は以前から知っていましたが、スカイツリーのデザインを監修された方が同郷の方とは、初めて知り、又少し故郷に対する誇りが増幅した気持ちでした。

 

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父の一年祭の早朝、ようやく津和野に入り、教会に行く途中ピカピカの駅舎が目に入ってきました。
2週間ほど前に完成したそうで、綺麗に様変わりしている事に驚きました。
只、私の頭の中には、古い駅舎の映像があり、何だか落ち着かない気持ちでした。

何と、駅舎の前には、D51が展示してあったのです。
晩年、国鉄職員としてD51を運転していた父の遺品のように、堂々と現れたのです。父が亡くなって1年後に新しい駅舎が出来、そこに、D51まで展示されるとは、不思議な感じがしました。
父が生きていたら、喜んで、観光客の方達に説明をするんだろうな・・・
父を求めて、D51には、又会いに来たいような・・・

 

HORIZON_0001_BURST20221106085814699_COVERDSC_33171年祭をして頂く、教会のミサが始まる前に、その近くに住んでいるもう一人の幼友達にも会ってきました。
この秋、ご主人が叙勲される事が決まった、という事で、着ていく着物を悩んでいた所に、丁度私が訪問したようで、少しはお役に立てたのでしょうか。
歴史のあるお家の跡継ぎ娘になってしまった彼女にも、ご主人の叙勲でおめでたいことがあってよかったですね~~

 

 

th今回の帰省目的である1年祭がいよいよ始まりました。
津和野教会の中に入るのは、私も、50年ぶり位で、昔と違って畳の上に椅子を置いてのミサでしたが、子供の頃と違って、日本人の神父様が父の為にミサを上げて下さいました。
平岡家での仏教に染まってきている私にとっては、久しぶりのカトリックのミサでした。

昨今2世信者として、悩みを抱えている若者が沢山おられる中、かつて私も同じような思いをしたこともありましたが、うちの親は強制はしなかった事により、私自身は自由に生きてこれました。

昨年の葬儀の折には、お弁当を配るしか出来なかったらしいのですが、今回は何とか一緒に会食が出来、いとこたちとも、話が出来、父の1年祭に、コロナの波の間を縫って、何とか地元民ではない私も参加することが出来、準備をしてくれた、兄や、妹に感謝の気持ちが湧いてきました。
やはり、父の一年祭で、一緒に並んで会食が出来た事は、これからの思い出になりそうで、大切な事だと、改めて思いました。

 

HORIZON_0001_BURST20221104114324184_COVER若い時から、秋の繁忙期に帰省など考えたこともなかったのですが、道中、綺麗な紅葉も楽しみながら、充実した3日間でした。